徴税吏員の逡巡

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徴収率から見えること

栃木県内の市町村税の徴収率(令和2年度決算)が公表されました。

市町村税 徴収率95.9% コロナ影響、11年ぶり減 栃木県2020年度|社会,政治行政|下野新聞「SOON」ニュース|下野新聞 SOON(スーン)

気になったのは那須烏山市です。

県平均95.1%のところ、マイナス10ポイントの85.1%はかなりインパクトのある数値です。市議会の一般質問でも取り上げられています。

去る18日付新聞で報道された本県の2019年度市町村税徴収率一覧の中で、本市は不名誉ながら群を抜いて県下最下位であります。市長はこの記事を目にしていかに感じたでしょうか。善良な納税者にあっては、行政に不信感が湧くはずであります。

これに対する市長の答弁は以下のとおりです。

市税徴収率を引き下げている大きな要因は、法人数社による固定資産税の大口滞納であります。本市では、それら大口滞納への不動産の差押えを執行済みであり、今後、それらの不動産の公売を進める検討している状況でございます。
しかしながら、当該差押えについては、国やほかの自治体との関与もあることから、それらの関係機関と連携をしていかなければ、公売の実現は不可能であります。一般的な公売が実現できるよう、関係機関との調整を進めてまいりたいと存じております。

https://www.city.nasukarasuyama.lg.jp/data/doc/1610258917_doc_4_0.pdf

「関係機関と連携していかなければ、公売の実現は不可能」というのがどのような状況なのか、これだけだと分かりませんが、まあ何らかの事情はあるのでしょう。

同市の令和2年度「税務概要」を見ると、合計調定額に占める滞納繰越調定額の比率が14%を超えていることが分かります(29ページね)。

https://www.city.nasukarasuyama.lg.jp/data/doc/1632709627_doc_22_0.pdf

全国平均だと2.2%程ですから、この値は異常なほど高いと言っても過言ではありません。「税務概要」をよく見てみると、個人市民税では現年99.21%、滞繰54.36%ということなので、決して低くはないのですが、(固定の)滞繰調定額が大きすぎるため、合計徴収率が上がらないという状況に陥っています。

今回の報道を見ても、やはり注目されるのは合計徴収率なので、職員の努力を適切に評価してもらうためにも、累積した滞納繰越額の整理に本腰を入れるべきと考えます。