徴税吏員の逡巡

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廃止された道路は…?

群馬県みどり市で、市有地が太陽光発電施設の一部にされた、とのニュースです。

市有地が太陽光発電施設の敷地の一部に… 盛り土されソーラーパネル設置 市側「業者と話し合う」|社会・話題|上毛新聞ニュース

市建設課によると、2013年に業者側から市に「残土を入れたい」と申し入れがあった。当時、道路東端は擁壁が道をふさぐように築かれ、路面は崩れた土で埋まっていたため、市は近隣土地所有者の了解を得ることを条件に了承。この際、利用契約書などの書面は交わさなかった。

詳細は不明ですが、申し入れがあった当時、当該道路は東端を擁壁で塞がれ、路面は土で埋まっていた、というのですから、既に機能を失っていた、と考えてよさそうです。

登記簿によれば、地目は公衆用道路、所有者は(旧)大間々町、とのことですが、一般に自治体が公共事業の施行のために土地を取得した場合、当該土地は行政財産として扱われます。

地方自治法第238条

4 行政財産とは、普通地方公共団体において公用又は公共用に供し、又は供することと決定した財産をいい、普通財産とは、行政財産以外の一切の公有財産をいう。

本件土地は公衆用道路ですから、道路法の規定による道路認定(道路法第8条第1項)及び区域決定(同法第18条第1項)を行っているものと考えられます。すなわち取得した時点では行政財産であったと考えて良いでしょう。

道路法第8条 

第3条第4号の市町村道とは、市町村の区域内に存する道路で、市町村長がその路線を認定したものをいう。

第18条

・・・道路を管理する者・・・は、路線が指定され、又は路線の認定若しくは変更が公示された場合においては、遅滞なく、道路の区域を決定して、国土交通省令で定めるところにより、これを公示し、かつ、これを表示した図面を関係地方整備局若しくは北海道開発局又は関係都道府県若しくは市町村の事務所・・・において一般の縦覧に供しなければならない。道路の区域を変更した場合においても、同様とする。

その後、なんらかの事情で道路の機能は無くなってしまった、とのことのようですが、この点につき道路法第18条第2項は以下のとおり規定しています。

道路管理者は、道路の供用を開始し、又は廃止しようとする場合においては、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示し、かつ、これを表示した図面を道路管理者の事務所において一般の縦覧に供しなければならない。

道路としての供用を廃止すれば、当該財産については普通財産となり、貸付けや売払いの対象となります(自治238の5)。しかしながら道路として供用されていた土地に関しては、不要となった敷地であっても一定期間(市町村道の場合は2ヶ月)は道路管理者が管理しなければなりません。

道路法第92条

道路の供用の廃止又は道路の区域の変更があつた場合においては、当該道路を構成していた不用となつた敷地、支壁その他の物件(以下「不用物件」という。)は、従前当該道路を管理していた者が一年をこえない範囲内において政令で定める期間、管理しなければならない。

道路法施行令第37条

法第九十二条第一項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の政令で定める期間は、国道又は都道府県道を構成していた不用物件については四月とし、市町村道を構成していた不用物件については二月とする。

記事によれば、「利用契約書などの書面は交わさなかった」とのことですが、この「公衆用道路」が道路法による道路であれば私権を行使することはできませんし(道路4)、供用廃止済みであれば賃貸借契約若しくは売買契約を締結するべきであると考えられます。なお、機能を失った道路については、速やかに廃止をするべきである旨、国交省企画専門官からの事務連絡が発出されています。

https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/teianbosyu/doc/tb_h30fu_15mlit_159.pdf

管理期間として規定されている2ヶ月を待たずに業者に使用を認めることが前提だった、というのは邪推でしょうが、案外根の深い問題なのかもしれません。