徴税吏員の逡巡

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本当におぼろげだったのか

以下のツイートが話題になっています。

しまきう@熊に返り血を浴びせるひよ子猟師 on Twitter: "やっと公文書不存在の通知書が来ました。 _人人人人人人人人人人人人人_ > 野心的な目標として決断 <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ https://t.co/ReXisZ5RI1… "

「2030年までの温室効果ガス削減数値目標である46%の算定根拠資料及びその算定に係る協議資料」の開示請求に対して、対象文書が存在していないことを理由として不開示決定が行われた、という事案です。

総務省が作成した、「情報公開法の制度運営の現状と問題点についての検討資料」によると、開示請求の対象文書が存在していないことを理由として不開示決定が行われる場合としては、開示請求の時点で対象文書が

(1)物理的に不存在である場合

(2)情報公開法の対象外である場合

(3)行政機関等による誤った不開示決定である場合

の3つに大別することができる、とされています。今般の決定においては、「作成・取得しておらず」との理由が付記されていますので、(1)に該当することになります。

なお、上記検討資料においては、理由付記のあり方についても触れられています。

単に「行政文書を保有していない」と記載するだけでは理由付記として十分とは言い難い。例えば、請求対象文書をそもそも作成・取得していない、作成したが保存期間が経過したので 廃棄した、あるいは請求対象文書が個人メモであって組織共用文書ではないから対象文書としてはないなど、不存在の要因についても付記することが望まれるところ であり、(以下略)

僕の知る限りは、不存在による不開示決定の理由は、「作成・所有していないため」とされるのが一般的かと思います。今回の決定のように、審議会の議論を踏まえたとか、総理大臣の決断だとかまで言及しているのは、稀な部類と言えるのではないでしょうか。

また、ツイ主さんも以下のとおり指摘していますが、

また、通常は省内や外部との検討資料は不開示になることが多いです。そこを敢えて請求したのは、検討が行われていた場合、不存在ではなく不開示になり、検討自体の存在が明らかになるためです。

今回不存在の決定があったことで、46%という数値目標については、算定根拠も協議資料も作成されていないことが明らかになったわけで、その意味では請求の目的は達せられたと考えることもできます。

※あるいは存否応答拒否という対応も検討されたかもしれませんが、上掲の検討資料によれば「日本の核政策に関する基礎的研究」に関する文書について存否応答を拒否した決定が妥当でないとの答申があるようなので、今回のケースが「調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ(情報公開法第5条第6号ハ)」に該当するというのは難しいのではないでしょうか。

加えるなら、「各種審議会における議論の積み重ねを踏まえ」ながらも、「算定根拠資料及びその算定に係る協議資料」は「作成・取得していない」ということになりますから、少なくとも審議会での結論は46%ではない、という理解もできます。

環境大臣閣下の「おぼろげながら浮かんできた」との発言が、真実味を帯びてきた感がありますね。