徴税吏員の逡巡

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議員の滞納と情報公開

兵庫県明石市議が、国民健康保険料を滞納し、3月3日付で同市から議員報酬の差押えを受けていたことが判明しました。

明石市議、国保料滞納で報酬差し押さえ|明石|神戸新聞NEXT

長いことこの仕事をしていると、議員報酬の差押えなどたいして珍しくもな・・・(以下自粛)。

 

地方議会議員の滞納を巡っては、これまでもしばしば報道等で取り上げられてきました。
印象的だったのは、熊本県菊池市議が市税を滞納していた問題で、現職議員のうち2名について、過去に市税の滞納があったという事案なのですが、市側の対応にも問題があったとして調査特別委員会が設置されました。
調査の結果、市長をはじめとした幹部職員が中心となって、議員報酬の滞納処分を見送らせるなど、「特別扱い」をしていた実態が浮き彫りになりました。

https://www.city.kikuchi.lg.jp/dl?q=26842_filelib_6c206077ed962909d8746accce409fc4.pdf

このようなケースを踏まえてなのか、議員の納税状況を公開する条例を制定する自治体も増えてきているようです。
江南市議会などは、ホームページ上に一覧表形式で公表しており、一目瞭然です。

議員の納税状況|江南市公式ホームページ

 

さて、明石市のケースですが、少し気になっていたのは、市議の滞納情報の出所だったのですが、上記神戸新聞の記事で情報公開請求によるものであることが判明しました。
記事によれば、

氏名や金額は黒塗りで公開されなかった。

ものの、

差し押さえ財産について「21年3月以降の議員報酬、賞与、期末手当」などとあり、報酬を支払う債務者が明石市長であることから明石市議と判明した。

とされていますので、差押財産及び第三債務者の情報については、非公開情報に該当しないものと判断したようです。

明石市の情報公開条例第11条第6項において、「実施機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあるもの」を非公開情報と規定しています。

明石市情報公開条例

他の自治体の事例をネットで探してみましたが、差押債権及び第三債務者の情報については、この「事務事業の遂行」を理由として、非開示としているケースが多いようです。

情報公開審査会(新規諮問 第929号)|東京都

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/285498.pdf


明石市のケースは、事務事業の遂行は理由になり得ませんから(第三債務者が市長自身ですからね)、開示を決定した判断は妥当であると考えます。

 

上記菊池市の調査特別委員会の報告にもありますが、

市議会議員は、予算審議において徴収率および滞納額をチェックする立場にあり、さらに報酬を市民の税金から支給されていることを考えると、納税についても市民の手本となるべきであり、いかなる理由があろうとも市税滞納は許される行為ではない

ということに尽きると思います。